ヒューザに関する考察
※この記事はバージョン3以降のネタバレを含みます。
ヒューザがウェディ主人公の正体に気づいたのはいつなのか、というお話です。
前置き
以下はこの考察に至った動機のお話になるので、本文のみご覧になりたい方は 考察 の項まで飛ばしてください。
以前も似たような内容を別処で公開したことがありますが、内容があまりにも拙かったことから改めて各種イベントを見返してみたところ、思うところが増えたので改めて考察に至りました。
考察と言うには明確な根拠のない憶測が多くはなりますが、お目通し頂けると嬉しいです。
と、堅苦しい内容はここまでに、この記事を書くことになったきっかけは例年恒例となるホワイトデーの投票イベントやその予選会の時期になると毎年のように話題に上がるヒューザ問題からです。
私自身毎年ヒューザを応援してはいるのですが、家具や壁紙がもらえるということであれば殿堂入りには賛成派です。というのはさておき。
さて、ここで取り上げるヒューザ問題、というのは殿堂入りにまつわる部分ではなく、その時期になると毎年話題に上がる、
『ヒューザはウェディの主人公を殺している人殺しだ』
『態度が悪い、反省していない』
『3.4のあれってヒューザが人気だから後付けでageしたんじゃないの?』
といった声にちょっと待ってくれ!!と声をあげる内容です。
ウェディ開始プレイヤーでヒューザが好きな人ってどうして? という声が見られたこともありましたが、私はこういったことを考えた上でヒューザが好きだなーと思ってます。
考察
考察開始にあたって、この考察において特定のキャラクターを責めるといった意図は一切ございません。その点をご承知おきください。
タイトルにもあります通り、以下はヒューザがウェディ主人公の正体に気がついたのはいつなのか、という考察をしていきます。
はじめに私の中での結論だけ先に述べてしまうと、私はヒューザはレーン村の初期イベントの時点で気づいていると考えています。
ヒューザがウェディ主人公の正体に気付いていることを明確に口にするのが3.4のストーリー中なので、そこから時系列順に遡っていきましょう。
以下エテーネ出身の主人公を主人公、身体の持ち主を器と記載します。
バージョン3 いにしえの竜の伝承
ヒューザがオーディスの影武者としてヴェリナード城で過ごす中、食事会を飛び出したヒューザを追ってきた主人公に、ヒューザは以下のように語ります。
「家族で仲良くお食事なんてさ……。オレにゃあ無縁のものだ。ああいう雰囲気になじめねえんだよ」
「オレは親のカオも覚えてない。物心ついたときにはじいさんとふたりだけで暮らしてたからな」
「そのじいさんもすぐに死んじまってオレはレーンの村の孤児院で世話になることになったんだ」
(以下ウェディのみ差分)
「そのおかげでお前やアーシクとはダチになれたけどよ……」
「王族の連中を見てやっぱ家族ってのがそれとは別モンだなと思っちまった。オレらしくねえよな……」
(共通)
「なんでかわかんねえがお前にだけはこんなことまでベラベラと話しちまうんだよ……」
ここで登場するレーン村の孤児院は、器も入っていたフィーヤ孤児院です。
ヒューザは物心ついたときからすぐ、器は幼いころ(レーン村初期イベや夢現篇第6話より)この孤児院に入っており、時系列としてどちらが先に孤児院に入っていたかは不明です(ネルゲル戦後に登場する器が覚えている両親のことがうろ覚えであることから、おそらくは器が先と思われますが根拠は薄い)。
いずれにしても、ヒューザと器はフィーヤ孤児院で幼少期から現在までを共に過ごした幼馴染みであり、ヒューザの生い立ちについては全てでなくても大まかには器も知っているはずのもの。
それをわざわざ話してくれるのですから、この時点では気づいているのではないかと思われます。
またその後のウェディのみ差分で、ヒューザは”そのおかげでお前やアーシクとはダチになれた”と口にしています。ヒューザの性格を考えると、目の前にいる本人に向かってダチと素直に表現することはないように思えます。
中身が別人と分かっていたからこそ”お前にだけはこんなことまでベラベラと話しちま”ったのではないでしょうか。
神話篇クエスト 勇士たちの祈り
王者のマントを封印を解くためにウェディの戦士リューデ、巨猫族の戦士キャット・バルバドの子孫が協力して祈りを捧げる必要がある。このリューデの子孫がヒューザであり、猫島で話を聞いたヒューザが主人公を探して駆けつけてくれます。祈りを捧げ封印を解き終わった後は、ヒューザはすぐにその場を旅立つため、この時点でヒューザが気付いているかどうかの判断は難しいでしょう。
ジュレットの町
ネコの赤ちゃん(ジュニア)を猫島へ返すのに、ヒューザは同行することになったソーミャを連れて、主人公はジュニアを連れてそれぞれ向かうことになります。ジュレットの町のストーリーでは主人公とヒューザの関わり自体は少なく、道中も別行動のため、ここでもヒューザが気付いているかどうかの判断は難しいです。
ヒューザがソーミャの方を選んだことからヒューザがロリコンだという声をちらほらと耳にしますが、ヒューザがソーミャを気にかける理由はヒューザもソーミャも孤児であり、境遇が似通っていることから来ていると考えるのが自然です。
レーン村
色々と書いてきましたがここからが本番です。興味のある方は最後までお付き合いください。
先に結論で述べました通り、私はこのレーン村初期イベントの時点でヒューザは主人公の正体に気がついている、と考えています。その中でより具体的なタイミングを掲示すると、器の身体に主人公の魂が入り込み起き上がった直後、近づいてきたヒューザが主人公の様子を確認した瞬間です。
レーン村のイベントを初めから見返していきましょう。
レーン村のイベントは、器とヒューザの剣の撃ち合いから始まります。
勝負を決めようというタイミングでちょうどやってきたルベカが、器に声をかけてしまったことで注意が逸れた器にヒューザの渾身の一撃が入ってしまい、器は命を落とします。
これについて、私自身は不幸な事故と認識しています。どちらが悪い、といったことは特に考えておりません。
それはさておき、問題となるのがこの後の葬式シーンです。
葬式のシーンで器を送り出そうという神父の言葉の直後、ヒューザの表情の映ったカットが入ります。
その表情が以下の画像のとおりですが、これが反省していない顔に見える方はごく少数なのではないかと思います。
しかし、この直後にヒューザの態度が一変しています。その時の会話の流れが以下の通りです。
ルベカ「ううっ 器……。私が急に声をかけたりしたからこんなことに……」
セトリー村長「わっわっルベカちゃん!お願いだから泣かないで!」
セトリー村長「これからシェルナーを決めようかという時になんということを。ヒューザ……」
このやりとりに続くヒューザの表情とセリフがこちら。
この表情とセリフで態度が悪い、と感じた方もいらっしゃるかと思いますが、少し別の捉え方をすることができます。
このヒューザのカットの直前の村長のセリフの”これからシェルナーを決めようかという時になんということを”に対して、ヒューザは怒りをあらわにしているのではないか、と私は考えています。
咎められたことに対して怒っている、というわけではありません。
先程の村長のセリフなのですが、『これからアーシクの結婚式という祝い事が待っているというタイミングでなんということをしてくれたんだ』と言っているようにも捉えられるのです。
器の存在を気にかけるわけではない村長の言葉にヒューザは怒りをあらわにした。
また、これに対して謝ってしまえば、『大事な時期にこんな事故を起こしてすみませんでした』と謝ることになる。
ヒューザが謝りたいのはそんなことではなくて、自分のせいで命を落としてしまった器に対してのはずです。
上記画像のヒューザのカットからの続きが以下の通り。
セトリー村長「理由はどうあれお前は器の命をうばったのだ。つぐないはしてもらうぞ」
それに対するヒューザの反応がこちらです。ここでようやく器の命を奪ったことに対して咎められ、そこで多少溜飲をさげたように見えます。
その後葬式が進んでいき、器の身体に主人公の魂が入り込むことになります。
そうして起き上がった主人公に、ヒューザも含めて住人たちが驚く描写。
そこからさらに、呆然としながら「おいおいっマジかよ!あんときたしかに手ごたえが……」と呟き、主人公の元に駆け寄るヒューザが映ります。
問題のシーンはこの後です。
駆け寄ってきたヒューザが主人公の方を覗き込んだ際の表情の変化が以下の通りになっています。
驚いた表情→一度目を閉じる→悲しげに話す→悲しげな目のまま笑う
主人公が生き返ったことに対してヒューザが驚く描写はこの前のカットでされています。
ではヒューザはなぜ驚いたのか。
確かに生きていることに対して再度驚いた、とも捉えることができますが、おそらくはこの瞬間、生き返ったと思った器が主人公であることに気が付いたのではないかと私は考えています。
そう考えると、その後に続く悲しげな表情にも説明がつきます(この表情については安心しているようにも見えますが)。
ちなみにこの別の魂が入り込んだみたい、というあまりに具体的すぎる例えは若干表現は違えど全種族で登場します。
また、補足として数点。
少し間を抜かして、シェルナー試験終了後。
シェルナーに主人公が選ばれ、村長に次の機会を待てばいいと言われたヒューザの反応がこちらです。
明らかに何かを考えている様子で、次を待っていられないと口にするのです。
それまでのヒューザはアーシクの結婚が決まりシェルナー試験が行われるまでちゃんと待っていたのに関わらず、です。
ちなみにイベント進行中に聞ける話として、「あのアーシクが結婚するなんてねえ……。いつも一緒にいるあんたとヒューザ それにルベカちゃんの4人組の中じゃいちばんそういうことなさそうだったのに」というアーシクに対する評価があります。
どうせ誰か(アーシク)がすぐに結婚するだろうから待っていた、というのはなさそうです。
つまり、それまではシェルナー試験を受けて一人前の証を得るまで待つつもりでいたヒューザが、何らかの理由でそれを待たずに旅立つことを決めている。
また、シェルナー試験終了後から、教会にいるシスターからヒューザがシェルナー試験で遅れた理由を教えてもらえます。
その理由というのが、シスターが祈りの宿へ向かう途中に魔物に襲われているところを助けた上、祈りの宿まで送っていたからというもの。
この話は、フィナに対してヒューザが口にしていた旅の目的についてを想起させます。
ここでシスターに聞かされた内容は、ヒューザの旅の目的である「オレの手の届く範囲で弱ってるヤツを見たら助けてやる」という言葉そのもののように思えます。そして、その目的ができるきっかけが器を殺してしまったことなのです。
このことからも、ヒューザがこの時点で主人公の正体に気がついていたのではないかと考えることができます。
長くなってきましたがもうちょっとだけ続くんじゃ~~~
レーン村イベント中のヒューザの態度について。
最初の撃ち合いシーンではヒューザも笑顔を見せていたり、自身のことをヒューザさまなんて言っていたりと器とかなり打ち解けている様子です。
一方で、葬式以降のイベントにおけるヒューザの態度はかなり刺々しくなっていると感じられると思います。レーン村のイベント進行中、ヒューザが笑顔を見せるのは冒頭の撃ち合いと、旅立ち前のシーンのみなのです。詳しくはおまけの方で記述しますが旅立ちシーンではヒューザが主人公の存在を認めていると考えられるため、それで笑顔を見せたのではないかな、と。
最後に、いくらなんでも一瞬見ただけで気付くわけなくない??という話について。
これについて、各種族に最低一人は主人公の正体に気づいたことを明確に伝えてくる人物がいます(ウェディの場合はフィーヤ孤児院で親代わりをしていたバルチャ)。このバルチャについて、葬式シーン終了前にバルチャが意味深に主人公を見ているカットが入ります。おそらくはバルチャはこのときに主人公の正体に気がついているのでしょう。
そう考えると、幼馴染みとして長年ともに過ごしてきたヒューザが気づいたとしてもなんら不思議ではありません。
他種族のイベントでも、「雰囲気が変わった」、「みょうに人間っぽい」などと言われることもあるため、気付く可能性は十分にあるのではないかなと思います。
といったところで、長くなりましたがヒューザがウェディ主人公の正体に気づいたのはいつなのか、の考察を終わります。
前書きにも記しました通り、考察というには明確な根拠のない憶測が多いのですが、少しでもヒューザについて見返すきっかけになればと思います。
お前ここどうなんだよ!といったことについても、何か返せそうであればその都度追記させていただこうかと思います。
以下は上記の説前提で、ヒューザが始めから気づいていた前提でイベントを見返すと……というおまけになります。
おまけ
・レーン村 シェルナー試験中 地底湖
「お前が両親を探すためにシェルナーになろうとしてることはオレも知ってるさ。だがな……」
この言葉を別人だと分かっている主人公に告げたということは、器にはこういう目的があったんだ、ということを教えてくれていることになります。お前が果たしてみせろ、と暗に告げているのかもしれません。
・レーン村 旅立ち前
「お前とはいつかどこかで会うこともあるだろうさ」
「もしかしたら会っても気づかねえほどお互い変わっているかもしれないがな」
この言葉を(以下略)、これから先また会うことがあったとして、オレの知る器と様子が違っていてもオレは気にしない、と言ってくれていることになるのではないでしょうか。そしてこの言葉を口にするヒューザは笑っています。おそらくアーシクたちを救ったことで、ヒューザは主人公のことを認めたのではないでしょうか。